佐賀県伊万里市に伺いました
11月1日、伊万里市の帰国・外国人児童生徒教育に関する研修会にお邪魔しました。
佐賀県は決して日本語指導が必要な子どもたちが多いところではありません(平成30年度調査では、全国で39位でした)。
ですが、数年前に県の教育委員会の主導で日本語指導を担当する教員が配置され、日本語教室が作られました。伊万里市には、1人、日本語担当の先生が加配されており、佐賀市の先生方と連絡を取りながら指導に当たっています。そして、市教育委員会が毎年日本語指導が必要な子どもたちへの教育に関する研修会を開催しています。そこには、佐賀市の日本語加配の先生方はもちろん、県教育委員会の方、日本語支援を行っている団体の方も集まり、研修会前後の校長室は同窓会のようでした。
伊万里市の研修会の特徴は、参加者の大半が学校の管理職や中核となる先生方だということです。日本語指導の方法を学ぶ会というよりも、外国人児童生徒への指導の在り方やその必要性について、情報を提供し、市としての考え方を共有する場を持つことに意義を感じているようです。つまり、「日本語指導が必要な子どもが編入してきても迎え入れることができる心構えをもつ」ことを、すべての学校に求めているのだと思います。市教委の先生は「小規模だからできることです」とおっしゃっていましたが、散在地域でこうした研修会を続けられるのは、市教委の強い意志とリーダーシップがあればこそです。
研修会では、担当の先生によるJSL算数の授業も公開されました。今年度は、コロナ対応もあり、体育館の一部をパーティションで区切り、先生と子どもはその中で授業をし、多くの参加者はスクリーンに映し出される授業の様子を見るという形になりました。ピンマイクをつけられ、体育館で算数の授業を受ける、という異様な状況でしたが、まっすぐに先生だけを見つめて課題に取り組んでいる子どもの様子が印象的でした。
伊万里の先生方、ありがとうございました。